リクガメの飼い方
リクガメをこよなく愛し、ホルスフィールドリクガメとギリシャリクガメを通年屋外飼育している筆者より、これからリクガメを飼おうと思っている方に参考になることを書いていきます。
リクガメの種類
日本には野生のリクガメは生息していませんが世界には属性だけでも17属あり個性豊かなリクガメが生息しています。
乾燥地帯に住む種類、湿地帯に住む種類、地域により特徴がまったく違います。
リクガメの特徴
リクガメと言われるぐらいですから、通常の生活はほぼ陸上で過ごし水溜りなどに入ることはありますが水棲カメやウミガメのように泳ぐことはありません。
どの種類を選べばいい?
将来的にケージで一生飼うのか、部屋に放し飼いにするのかで飼育できるリクガメの種類は変わってきます。
また丈夫な種類を選べば飼育をしていて神経質になるのを少しは軽減してくれます。
初めてのリクガメ
初めてのリクガメでおすすめなのは、断然、地中海リクガメ属に属する種類です。
具体的には、ヘルマンリクガメやギリシャリクガメ、ホルスフィールドリクガメなどはリクガメの中では丈夫で日本の気候にも合います。
また、きちんとした管理をすれば冬眠することもできます。(アラブギリシャリクガメ、西ヘルマンリクガメを除く)
管理人はホルスフィールド1頭、ギリシャ2頭を10年以上通年屋外飼育していますが毎年3月下旬に起きてきます。 (2018年は2月中旬に温かい日が続いたため例年より早く出てきました)
残念なことに流通量が多いということは飼育の失敗や輸送中に弱ったりして命を落とすリクガメが多いということが言えるかもしれません。
また値段も1〜3万もあれば購入できてしまうため命の重さが軽んじられていると思います。
地中海リクガメ属のカメは一部を除いて、大きくなっても甲長20センチを超えることは少ないですがアルダブラゾウガメやケヅメなどを飼いたい人は本当に終生飼育できるかよく考えて検討してください。
リクガメの飼育で必要な機材は?
これからリクガメを飼育する方に覚悟をしていただきたいのですが、リクガメは日本にいない種であり日本で生きていくためには飼い主が環境を整えていかないといけないということです。
管理人は初めてのリクガメを買ったのは高校二年生の頃でバイト代を貯めてなんとか揃えました。
以下は必要最低限です↓
ケージ・・・ヘルマンやギリシャを飼育すると仮定して、900✖450✖450くらいの大きさは用意していた方が良いです。
このサイズのケージで飼育できるのは2頭が限界です。 30000円くらいです。
サーモ・・・保温球をつなぎケージの温度を保ちます、設定温度で自動でオンオフし温度制御してくれますので必ず用意してください。
ジェックス爬虫類サーモで10000円くらいです。
床材・・・ヤシの実チップなど専用の床材が多数出ています。
新聞紙は滑りやすく足が悪くなるのでやめておいた方がいいです。
2000円から3000円くらいですが汚れてくるのでストックは持っていた方がいいです。
ヤシの実などの天然素材だと霧吹きした際に保湿してくれますが新聞紙だとそれがないのでケージが乾燥してしまいます。
保温球・スポットライト・・・ケージを温める電球です。
セラミックもあります。
900✖450✖450なら、2、3個必要ですが断トツをつけるならスポット1個に保温1個でいいと思います。
自然界でも夜は太陽は沈んでいるため、夜はホットスポットよりナイト保温球に替えましょう。
部屋の温度を下げすぎないことと、ケージ周りに発砲スチロールを貼り付けると温度低下を軽減することができます。
ランプクリップスタンド・・・ランプだけでは使えません。
ソケットが必要で、ひまわりやテラなどが販売されています。
1個2000円くらいです。
紫外線等・・・メタハラや蛍光灯タイプなどですが、メタハラは大変高価なため余裕が出てから買ってもいいと思います。
蛍光灯台は熱帯魚用のものでいいです。
全部で10000円くらいでメーカー推奨の交換時期を守ってください。
温湿度計・・・1000円以下の安いもので大丈夫です。
床面ヒーター・・・底から温めるヒーターです。 4000円くらい
上部ヒーター・・・ケージを上部から温めるものです8000円くらい
エサ皿・・・これは最低限から除外します、人が使っていたもののお下がりでいいです。
シェルター・・・体がすっぽり入るくらいの大きさがいいです。
管理人のカメは大きさが15センチを超えているので市販品ではいいものがないので、プラスチック製の植木鉢を真っ二つに切ってシェルターにしています。
ケージの中の温度
ケージの中は昼間は30度くらい、夜は28度くらいになるようにしましょう。
ライトの直下はそれより暖かくなっていますがカメが自分で移動できるような温度勾配がある環境を作りましょう。
下げすぎると体調を崩したり、人間のようにくしゃみをします。
湿度は60%を維持できるよう霧吹きや水飲み場を大きくして湿度を保ちましょう。
冬は朝に霧吹きをしても帰宅時にはかなり乾燥してしまいますので水飲み場などを設置し少しでも湿度を上げる工夫をしましょう。
オス・メスの多頭飼い
繁殖する以外ではオスとメスを同一のケージに入れて飼うのはやめておいた方がいいです。
オスはメスを執拗に追いかけ回し、噛みつき甲羅アタックをします。
狭いケージでそれを繰り返し受けるメスはストレスを感じ食が細くなったりといいことはありません。
寿命
地中海リクガメ属でも20年〜30年は生きます。
大型種は50年以上生きるのであらかじめ将来の計画を立てておいた方がいいです。
最後に
飼育の仕方を間違わなければきっと素晴らしい共同生活が待っています、ぜひ頑張ってください。
リクガメはまだ完全な飼育方が確立されているわけではありません、人間の都合で命を落とすことがないよう愛情を注いで飼ってください。